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問題
事例1のサラリーマンの年収が、300万円から倍の600万円に増えた場合の税金を考えてみます。
年収が2倍になると、税金はどのように変わるのでしょうか。
条件
・年収600万円
・独身
・社会保険料の合計額 867,000円
・その他の特別な条件なし
STEP 1 「給与所得控除」の額を出す
まず、事例1と同様に、サラリーマンの経費である「給与所得控除」の額を算出します。
収入が600万円ですから、給与所得控除の表から、計算式読み取ると、
収入×20%+54万円
となっているので、
600万円×20%+54万円=174万円
となり、
収入600万円の給与所得控除は174万円であることがわかります。
STEP 2 「所得」の額を出す
収入ー給与所得控除=所得
ですから、
600万円-174万円=426万円
年収600万円のサラリーマンの所得は426万円となります。
STEP 3 「所得控除」の合計額を出す
このサラリーマンも独身なので、事例1と同様に、
所得控除として使える青いカードは、「基礎控除」と「社会保険料控除」だけです。
◆所得税の所得控除額
「基礎控除38万円」+「社会保険料控除867,000円」=1,247,000円
◆住民税の所得控除額
「基礎控除33万円」+「社会保険料控除867,000円」=1,197,000円
となります。
STEP 4 「課税所得」の額を出す
「所得」から「所得控除」を引いて、「課税所得」を出します。
STEP 5 課税所得に「税率」を掛ける
所得税の税率と計算
所得税は、累進課税なので税率は表から読み取ります。
所得税の課税所得は3,013,000円だったので、
表の「195万円を超え、330万円以下」の範囲に入るため、
所得税の税率は10%となります。
ここで、重要なのは、税率が5%だった事例1とは異なり、
税率が10%の場合は「超過累進課税の計算」とするために、
「課税所得」に「税率」を掛けた後に、
「速算表の控除額」である97,500円を引く必要があることです。
3,013,000円×10%-97,500円=203,800円
速算表を使った所得税の計算方法
課税所得 × 税率 - 控除額 = 所得税額
住民税の税率と計算
住民税は、誰でも一律10%なので
3,063,000万円×10%=306,300円
となります。
STEP 6 微調整をする
所得税の微調整
復興特別所得税を足す
所得税に2.1%を掛けた復興特別所得税を足す必要があります。
この例では、203,800円×2.1%=4,279円が復興特別所得税の額になります。
このため、203,800円+4,279円=208,079円となり、
100円未満の79円を切り捨てた、208,000円が最終的な所得税となります。
住民税の微調整
調整控除を引く
まず、事例1の「調整控除」がいくらになるのかを計算します。
調整控除の計算
事例5の「住民税の課税所得」は3,063,000円でしたから、200万円よりも大きいため、
「200万円を超える場合の計算方法」で計算することになります。
事例5の「人に関係する所得控除(人的控除)」は基礎控除のみです。
このため、基礎控除(所得税)38万円と基礎控除(住民税)33万円の差である5万円が
「人的控除の差の合計額」になります。
これを、式に当てはめると、
{5万円―(3,063,000円―200万円)}×5%=-50,650円
-50,650円(マイナス!)は、2,500円よりも小さいので、
結局、事例5の調整控除も2,500円になります。
従って、所得割の306,300円から調整控除の2,500円を引きます
306,300円ー2,500円=303,800円
均等割を足す
次に、均等割の5,000円を足します
303,800円+5,000円=308,800円
最終的な住民税は308,800円となります。
解答
年収600万円の独身者の税金は
所得税 208,000円
住民税 308,800円
となります。
社会保険料は867,000円だっだので
手取りは、4,616,200円ということになります。
年収600万円の内訳を円グラフで表すと、
社会保険料 15%
所得税 3%
住民税 5%
手取り 77%
となります。
事例1と比較すると、
社会保険料の割合は同じですが
税金の割合が少し高くなり、
手取りの割合が減っています。
事例1と事例5の比較(年収による税金の違い)
事例1の年収300万円の税金と比較すると、
年収が2倍の600万円になったときは、
社会保険料は2.0倍
所得税は3.7倍
住民税は2.6倍
に増えていることがわかります。
年収が300万円から600万円に増えると、
手取りは223万円増えたことになりました。
このころになると、税金の割合が増えるため
無知による納税の割合も高くなっていきます。
税金の知識が有るか、無いかで、
手取りにも大きく影響が出るころです。
税金の知識は、若いうちにつけておきましょう。
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