確定申告

ID・パスワード方式でやる確定申告【2019年版】

Contents

事例

年収300万円の独身サラリーマンが、ふるさと納税とiDeCoのために
ID・パスワード方式を使って確定申告をする事例を考えてみます。

<事例>
・年末調整済みのサラリーマン(年収300万、独身)
・ふるさと納税あり(ワンストップ特例なし)
・iDeCoあり(年末調整で申告を忘れた)

「寄付金控除」は年末調整では控除されない所得控除なので、ワンストップ特例を使うか、自分で確定申告をしなければなりません。
この事例では、ワンストップ特例を使っていないので、確定申告をすることになります。
(そもそもこの事例では、iDeCoに関する確定申告もするので、ワンストップ特例を出していたとしても、確定申告をしなければなりません)

また、iDeCoの「小規模企業共済等掛金控除」は、本来はサラリーマンの場合は年末調整で控除できるのですが、この事例ではその申告をしていなかったので、自分で確定申告をすることになります。
⇒書面での確定申告の方法はコチラ

「確定申告書等作成コーナー」サイトを開く

税務署でもらってきた「ID・パスワードの届出完了通知」を手元に用意して、いつも使っているパソコンのブラウザを起動します。

「確定申告書等作成コーナー」サイトを開きます。
⇒「確定申告書等作成コーナー」はコチラ

ここからのパソコン画面の手順は以下の通りです。

個人認証までの事前準備

作成開始

新規に開始するので、「作成開始」ボタンを押します。

e-Taxで提出する


今回はe-Taxで提出するので、「e-Taxで提出する」を押します。

ID・パスワード方式で提出する

下の方に、「マイナンバーカード方式」か、「ID・パスワード方式」かを選ぶ画面が開きます。

今回はID・パスワード方式で行うので、「ID・パスワード方式により提出する」を押します。

パソコンの環境の確認

パソコンの環境を確認する画面になります。

ブラウザは、Windowsであれば、
・IE
・Edge
・Firefox
・Chrome
いずれでもかまいません。

IDとパスワードの入力

ID・パスワードを入力する画面が出ます。

この画面で、税務署でもらってきた「ID・パスワードの届出完了通知」に記載されている「ID(利用者識別番号)とパスワード(暗証番号)」を入力します。
IDの、4桁ずつのハイフンは自動入力されるので、そのまま数字だけを入力します。

検索完了の画面

「検索完了」という、利用者識別番号を検索した結果の画面になります。

「入力された利用者識別番号に該当する情報がありませんでした」と表示されて不安になりますが、まったく問題ありません。
初めのうちはシステムに利用者識別番号が反映されていないので、検索されていないだけです。
そのまま、気にせず「次へ」ボタンを押して大丈夫です。

該当する情報がありませんでした」と表示されても、そのまま「次へ」ボタンを押す

準備終了画面

これで、あなたの個人認証が済んだので、事前準備が終了した画面になります。

「申告書を作成する」のボタンを押します。

作成する申告書を選ぶ

作成する年分の選択

これから作成する申告書の「年分」の選択画面になります。

今回作成する申告書は、昨年の平成30年分(2018年分)の申告書を作成するので、「平成30年分の申告書等の作成」を押します。

今回の事例のように、納め過ぎている税金を返してもらう「還付申告」の場合は、過去5年分までさかのぼって申告することができるので、その場合は、下の「過去の年分の申告書等の作成」ボタンを押せば、平成26年分~平成29年分が選択できます。

申告書の選択

申告書(4種類)の選択画面になります。

「確定申告書等作成コーナー」では、所得税の確定申告(赤)の他に、消費税の確定申告(オレンジ)や贈与税の申告(緑)の書類の作成ができます。
また、事業や不動産の所得がある人は決算書や収支内訳書(青)を作成することもできます。
この画面は、どの書類を作るのかの選択画面です。

今回は「所得税」の確定申告の書類を作成するので、赤の「所得税」を押します。

入力方法の選択

データの入力方法(3種類)の選択の画面になります。

は、今回の事例のように、所得が給与だけのサラリーマンが、医療費控除や寄付金控除で還付申告をするときに選択します。

は、事業や不動産の所得のある人が選択します。
また、サラリーマンであっても、給与以外に動産賃貸・株・FXの所得があるような人は、こちらを選択します。

は、青赤のどちらを選択してよいかわからない人向けに、質問に「はい」、「いいえ」で答えていくと、必要なデータ入力画面だけが出てくるデータ入力方法の選択になります。
(ただし、その質問は何を聞かれているのかわからない、自分の場合はどちらを選べばいいのかわからない、ということが多いのであまりお薦めしません)

今回の事例は、青に該当するので、青の「作成開始」を押します。

もし、青を選ぶべき人が、赤を選んだとしても、結果は同じになるので問題ありません。
(赤を選ぶべき人が、青を選んでしまうと、データを入力する場所が出ない項目があるので、申告することができません)

準備する書類

データを入力するための書類の確認画面になります。


サラリーマンの場合は、源泉徴収票の数値をデータ入力するので、源泉徴収票が必ず手元に必要です。(提出の必要はありません)

また、今回は「寄付金控除」のために、ふるさと納税の「寄付金受領書」と、iDeCoのデータ入力のために「掛金払込証明書」ハガキを手元に用紙しておきましょう。

いずれも、データを入力するための書類であって、提出の必要はありません
(ただし、5年間は保管しておく必要があります)

生年月日の入力

ここでまた、なぜか、e-Taxか書面提出かを聞かれるので、e-Taxを選択します。

さらに、生年月日をここで入力します。

支払者数と年末調整状況


支払者(会社)が1か所か、または2ヵ所以上(源泉徴収票が複数枚)かを選択します。
また、年末調整が済んでいるかを選択します。

 

適用を受けようとする所得控除の選択

この確定申告で受けようとする、「所得控除」(左側)、および「税額控除」(右側) の選択をします。

左側の4つのチェック欄の内、上3つの「医療費控除」、「寄付金控除」、「雑損控除」は、年末調整では控除されない所得控除です。今回は、「寄付金控除」を受けるので、「寄付金控除」にチェックを入れます。
「小規模企業共済等掛金控除」は、年末調整で控除される所得控除なので、左側の一番下の「上記以外の控除の追加・変更」にチェックを入れます。

今回は税額控除はないので、右側の3つは空欄のままで大丈夫です。

「入力終了(次へ)」ボタンを押します。

源泉徴収票データの入力

収入・所得金額の入力

収入・所得を入力する画面になります。
予め給与しか収入がないことを選択しているので、給与しか選べないようになっています。
ここからは、会社からもらった源泉徴収票に基づいてデータを入力していくことになります。

給与の欄の「入力する」ボタンを押します。

ここで、間違って「入力終了(次へ)」ボタンを押さない

給与所得の入力1

源泉徴収票の絵が出て、給与収入、源泉徴収額、配偶者・扶養家族の情報を入力する画面になります。

まず、源泉徴収票に従って、①「支払金額」②「源泉徴収税額」を入力します。
今回の事例は独身のため、③~⑧は空欄のままで大丈夫です。

もし、源泉徴収票に記載があれば、その通りに、チェックや金額を入力します。

「入力終了(次へ)」ボタンを押します。

給与所得の入力2

源泉徴収票の「社会保険料等の金額」、「生命保険料の控除額」等の入力画面になります。

源泉徴収票に従って、⑨「社会保険料の金額」を入力します。
今回の事例では、生命保険料控除はないので、⑩~⑮は空欄なので空欄のままで大丈夫です。

もし、源泉徴収票に記載があれば、その通りに金額を入力します。

「入力終了(次へ)」ボタンを押します。

給与所得の入力3

住宅ローン控除に関する入力画面になります。

今回の事例では住宅ローン控除はないので、「源泉徴収票の⑯及び⑰欄のいずれも記載がない」にチェックを入れます。

もし源泉徴収票に記載があれば、その通りに日付や金額を入力します。

「入力終了(次へ)」ボタンを押します。

給与所得の入力4

地震保険料控除、本人状況、および支払者(会社)の住所・名称を入力する画面になります。

今回の事例では、地震保険料や本人の障害等はないので⑱~㉓は空欄のままで大丈夫です。
記載があれば、源泉徴収票に通りに金額やチェックを入力します。

㉔の支払者の住所・名称は、源泉徴収票に記載の通りに必ず入力します。

「入力終了(次へ)」ボタンを押します。

給与所得の入力内容確認

入力した源泉徴収票の内容確認が表示されます。

「支払者の住所名称」、「支払金額」、「源泉徴収税額」が正しいかどうか確認します。
もし、間違っていれば、左上の「訂正」ボタンを押せば、先ほどの画面に戻れます。

正しければ、「入力終了(次へ)」ボタンを押します。

先ほどの、源泉徴収票のデータを入力する前の、「収入・所得金額の入力」の画面に戻ってきます。


「入力する」ボタンが、「訂正・内容確認」ボタンに変化していることがわかります。
「収入金額」の欄に源泉徴収票で入力した300万円が記載され、「入力内容から計算した所得金額」の欄に192万円が記載されています。

この192万円は、収入の300万円から自動計算された所得金額です。
⇒所得とは
⇒収入300万円から所得192万円がどう計算されたか(事例1)

確認したら、「入力終了(次へ)」ボタンを押します。

所得控除の入力

14種類の所得控除を入力する画面が表示されます。
基礎控除は誰でも38万円固定なのでボタンは無く、配偶者控除と配偶者特別控除は一つのボタンにまとめられているので、「入力する」ボタンは全部で12個になります。
サラリーマンがわざわざ確定申告をする理由は、まさにこの画面で可能な所得控除をすべて受けて、納め過ぎている税金を返してもらうことにあるので、もっとも重要な画面です。
絵のイメージとしては、青い面積を最大限に拡げるということです。

12個のボタンのうち、「社会保険料控除」は既に源泉徴収票のデータ入力の時に入力しているので、「439,160円」という数字がすでに入っています。

この段階では、社会保険料控除の439,160円と基礎控除の380,000円を合わせて、所得控除の合計額(青い面積)は819,160円ということになります。
絵のイメージでは上図のようになります。

「小規模企業共済等掛金控除」の入力

この事例では、さらに青い面積を広げるために、iDeCoの「小規模企業共済等掛金控除」とふるさと納税の「寄付金控除」を使うことになります。
どちらが先でも構いませんが、「小規模企業共済等掛金控除」を先に入力してみます。

「小規模企業共済等掛金控除」の「入力する」ボタンを押します。


iDeCoは上から3段目の「確定拠出年金法の企業年金・個人年金加入者掛金(iDeCo(イデコ))」になるので、ここの支払掛金の欄に、「支払掛金控除証明書」ハガキに記載されている去年1年間の合計掛金額を入力します。

「入力終了(次へ)」ボタンを押します。

先ほどの「所得控除の入力画面」に戻ってきます。

「小規模企業共済等掛金控除」の欄に、276,000円が追加されていることが確認できます。
このため、所得控除の合計額(青い面積)も1,095,160円に増えていることが分かります。
絵のイメージでは上図のようになります。

「寄付金控除」の入力

続けて「寄付金控除」のデータを入力します。

「寄付金控除」の「入力する」ボタンを押します。

寄付金控除を入力する画面になります。

受領書のデータを元に入力するので、「入力する」ボタンを押します。


ふるさと納税を複数の自治体に寄付している場合は、自治体ごとに入力してもいいですが、全部まとめて入力することができます。

このため、年月日には代表する一ヵ所の自治体に寄付した年月日を入れます。


「寄付金の種類」をクリックすると、プルダウンメニューがでるので、上から2番目の「都道府県、市区町村に対する寄付金(ふるさと納税など)」を選択します。


「市区町村に対する寄付」にチェックを入れます。

代表とした寄付先の、都道府県を選択してから、該当の市区町村を選択します。
「寄付先の所在地」と「寄付先の名称」が自動入力されます。

「支出した寄付金の金額」には、他の市町村も含めてすべてのふるさと納税の合計額を入力します。(自己負担の2,000円は後で自動で引かれるので、ここで自分で引く必要はありません)

「寄付先の名所」に、「ほか」の文字を追加します。これによって、この寄付先は代表であって、他にも寄付先があることを示せます。

「入力終了」ボタンを押します。

ふるさと納税は複数の自治体に寄付をしていても、

入力は代表する一ヵ所のみでいい


内容を確認して、「次へ進む」ボタンを押します。


「寄付金控除」の計算結果画面が出て、先ほど入力した金額から自己負担2,000円が引かれた金額が所得控除されることが確認できます。

「OK」ボタンを押します。

また、所得控除の入力画面に戻ってきます。

「寄付金控除」の欄に18,000円が増えていることが分かります。
これによって、所得控除の合計額が1,113,160円まで増えました。
絵のイメージでは上図のようになります。
社会保険料控除と基礎控除だけの時と比べると、294,000円分も青い面積が増えています、

もうこれ以上所得控除を使えるものはないので、「入力終了(次へ)」ボタンを押します。

税額控除の入力

住宅ローン控除などの、税額控除を入力する画面になります。

住宅ローン控除などの税額控除がある場合は入力しますが、
今回の事例では、関係ないので、「入力終了(次へ)」ボタンを押します。

計算結果(還付金の表示)

ここで、いきなり還付金がいくらになったのかの結果が表示されます。
なぜこの数字が出たのかの計算過程は、一切表示されません。

源泉徴収税額は100円単位は切り捨てでしたが、還付金は1円単位まできっちり返してくれます。

「作成した申告書の表示・確認」ボタンを押すことで、書面提出と同じ形式で申告書が表示されます。

確認したら、「次へ」ボタンを押します。

その他の情報の入力

住民税に関する事項の入力

確定申告は所得税のための申告書類ですが、同じデータを住民税の算出にも使うので、この確定申告の各種データは、税務署から住所地の自治体へ送られます。
このため、この画面で住民税に関する情報を入力します。

一番上の欄は、「住民税の払い方」に関するものです。
サラリーマンの住民税は、通常は毎月の給与から天引きする(特別徴収)なので、「給与から差引き」を選択します。
副業などの収入が会社にバレたくない場合は、「自分で納付」(普通徴収)を選ぶこともできます。
今回のように、ふるさと納税やiDeCoは会社にバレても全く問題ないので「給与から差引き」を選択します。
これによって、今年の6月~来年5月までの毎月天引きされる住民税が減ることになります。

住民税の非課税の判定に使われる16歳未満の家族や別居家族の有無にチェックをいれます。

「入力終了(次へ)」ボタンを押します。

銀行口座、氏名、住所、マイナンバー入力


還付金を返してもらう方法を選択します。
銀行口座がない場合は、郵便局で受け取る方法もあります。

銀行口座の情報を入力します。

氏名、性別、電話番号、世帯主との続柄を入力します。
自分が世帯主の場合は、「ご自身が世帯主」ボタンを押せば自動入力されます。

住所を入力します。
郵便番号だけ入れて、「郵便番号から住所入力」ボタンを押せば、「提出先税務署」の情報までが自動入力されます。
この確定申告の提出年月日を入力します。
整理番号は、わからなければ空欄でかまいません。

平成31年1月1日の住所地が同じであればチェックを入れます。
この自治体に今年6月~来年5月の1年間住民税を払うことになります。


マイナンバーを入力します。

「入力終了(次へ)」ボタンを押します。

送信する

送信前の申告内容確認

送信前に、すべての内容を確認できる画面になります。

「帳票表示・印刷」ボタンを押すと、作成された確定申告書のpdfファイルが開きます。

今回の事例の場合は「送信票、第一表、第二表」の3ページで構成されます。
この段階のpdfファイルは、まだ「送信前の透かし」が入っているものなので、まだ保存や印刷の必要はありません。
画面上で内容だけを確認します。

内容に問題がなければ、「次へ」ボタンを押します。


名前と通知番号を確認します。

その他の質問は、問題が無ければ、すべて「いいえ」を選択します。

「次へ進む」ボタンを押します。

パスワードを入力する

最終的に、もういちど「ID・パスワード方式」の暗証番号(パスワード)を入力します。

「送信」ボタンを押す

「送信」ボタンを押すと、データが送信されます。

送信結果

送信結果の内容画面になります。
利用者識別番号、受付番号、受付日時は、後で保存するpdfの送信票にも記載されているので控えを取る必要はありません。

「受付結果を確認する」ボタンを押します。

受付結果


この受付結果も、後のpdfに含まれるので、控えを取る必要はありません。

「送信票等印刷へ進む」ボタンを押します。

申告書等の印刷・保存

確定申告書の印刷・保存

この画面の一番下の「帳票表示・印刷」ボタンが重要です。

「帳票表示・確認」ボタンを押すことで、今回の確定申告書の書類一式(送信票、第一表、第二表)がpdf形式で開きます。

この「h30syotoku.pdf」ファイルをパソコンに保存します。

印刷は必須ではありませんが、ファイル紛失が心配な人は、印刷して源泉徴収票などの添付書類とともに5年間保管します。

「次へ進む」ボタンを押します。

入力データの保存


これが最後の画面です。
ここでは、一番上の「入力データを保存する」ボタンを押すと、今回入力した全データが入った、「h30syotoku.data」というファイルがパソコンに保存できます。

このdataファイル形式は、「確定申告書等作成コーナー」で使うファイル形式です。
来年の確定申告で、このファイルからスタートする(「保存データを利用して作成」ボタンから開始する)と個人データ等の入力が省略できて便利です。

「h30syotoku.data」「h30syotoku.pdf」一緒のフォルダに保存しておくと、内容がわかりやすく紛失が避けられます。

最後に「終了する」ボタンを押すと終了です。

<参考>今回作成された書類

送信票

確定申告書第一表

確定申告書第二表

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